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【年金】妻(配偶者)の公的年金/個人年金の全体方針(3つの重要ポイント)

(配偶者)の「公的年金/個人年金」に対する考え方は、色々な人が、色々な切り口で、説明するので、混乱すると考えます。
・うちの場合でも、すごく悩みましたが、本記事は、妻の具体例で、それをまとめた最終決着版です。その時になってから、慌てないように、お願いします。全体方針(3つの重要ポイント)を丁寧に記載しました。

「公的年金」に色々な制度もあり、「全体方針」が分らなくなっています…

雲くん
雲くん
うちの場合でも、確かに悩みましたが、今は、すっきりとしています。

妻の「公的年金」追納など(満額に向けて)

妻(60歳前)の公的年金は、「満額、40年」に足りていませんでした。「満額」の方は、本章は、読み飛ばしても大丈夫です。

・年金事務所に相談したところ、以下の様に、日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」で、10年前まで、さかのぼって支払い可との事でした。書類を新規作成して頂き、コンビニ支払いを継続中です。なお、支払負担を平滑化するために、一括支払いを避けて、期限切れ前の「1年毎(1.5万円×12=約18万円)」としました。

・損得計算です。「日本年金機構HP」で「増額分」が試算可能です。ユーザーID登録等が必要と思います。ただ、おおまかに言えば、「支払額」に対する、「増額分」は、「20年でプラスマイナスゼロ」になりそうです。
・なお、「増額分」は、「老齢基礎年金」対象であり、「老齢年金(老齢厚生年金)」には影響がない事を申し添えておきます。

追納の総支払額・月当たり約1.5万円(対象期間で前後)です。
・妻の支払い可能期間が「80月(7年弱)」なので、「1.5万円×80=120万円」が総支払額です。
増額分・120万円で、日本年金機構HPで試算すると、年額6.3万円アップでした。
プラスマイナスゼロ・総支払額が120万円で、年額6.3万円アップなので、プラスマイナスの年数は、120万円÷6.3万円=19年です。
・つまり、19年「65歳+19年=84歳」以降は、プラスです。

・ただ、「金融資産」として考えると、以下の点に注意です。総支払額に対して、マイナスになる可能性もあります。ただし、長生きすれば、大幅なプラスも見込めます。特殊な「金融資産」と位置付ける方が良さそうです。うちでは、「長生きリスク」を重視しました。
・なお、「金融資産」として、「マイナスの可能性」が気なる方は、「追納無し」でも、問題ないと考えます。

・約20年(19年)で、プラスマイナスゼロです。つまり、「20年以下では、マイナス(損)」です。つまり、「20年以上(平均寿命)に長生きするとプラス(得)」になるという意味です。不幸にして、マイナスになった場合は、良い金融資産とは、言えません。
・ただ、長生きすれば、プラスが増えていきます。例えば、5年長生きすると「6.3万円×5=32万円」アップで、10年長生きすると「6.3万円×10=63万円」アップです。これは、つまり、「120万円の投資」で、「32万円(27%増)」なので、「金融資産としても優秀」と考えます。¥

「追収」の社会保険料も考慮

・よくある記事で、「社会保険料控除で約20%の得」だけの論点で、「追納」決定は、私としては、賛成しかねますが、以下の様に、「税金がお得」も見逃せません。

・支払い時の社会保険料控除も考慮すると、より正確な数値となります。国税庁HPを参考リンクします。要するに、「約20%(税金)」の得です。つまり、「20年でプラスマイナスゼロ」→「16年でプラスマイナスゼロ」となります。また、上記の「追納」記事でも、この旨が記載なので、再リンクしておきます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html

・また、通常は、年金受取時に、「税金+社会保険料」で年金額の20%~10%が目減りしますので、「上記の得が相殺」されてしまします。
・ただし、「公的年金非課税枠」が65歳以上で「110万円」なので、妻(配偶者)がそれ以下なら「目減り無し」です。「公的年金非課税枠」の国税庁HPをリンクしておきます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

妻の任意加入制度(満額に向けて)

・夫の退職等や妻の60歳以降に、妻が「第3号被保険者」で無くなくなれば、「第1号被保険者」として任意加入できます。検討の価値があります。参考リンクです。具体的には、夫が65歳で退職を例としました。

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html

・「60歳以上65歳未満の方」なので、妻は対象者です。「老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方」も注意です。「令和2年度:月額16,540円」なので、それに沿うと、以下が計算式です。

60歳~64歳の支払額・16540円×12か月×5年間=992400円
増額分・基準額は、781,700÷480か月=1629円/月
・12か月×5年間×1629円/月=年額97740円
プラスマイナスゼロ・総支払額が99万円で、年額9.8万円なので、プラスマイナスの年数は、99万円÷9.8万円=10年です。
・つまり、10年「65歳+10年=75歳」以降は、プラスです。

・つまり、「10年でプラス」なので、うちでは、これを選択します。社会保険料控除も加味すると20%返金として、「8年でプラス」となります。
・要するに、「社会保険料控除=20%」がお得になるので、「総支払額99.2万円×0.8=79.4万円」が実施支払額です。

・ただ、注意事項です。「妻の手続きは、59歳時点(60歳前)」となります。「夫が厚生年金(第2号被保険者)継続中でも、60歳以降の妻は第3号被保険者になれない」です。これを知らない方が多いと思いますので、ご注意ください。参考リンクです。

https://www.nenkin.go.jp/service/yougo/tagyo/dai3hihokensha.html

妻の付加年金制度(上乗せ)

・国民年金の一般保険料に加えて付加保険料(月当たり400円)を納めると、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされる制度「付加保険料の納付のご案内」です。

・「国民年金第1号被保険者」「任意加入被保険者(65歳以上の方を除く)」なので、妻は、対象者です。以下が計算式です。つまり、前述の「任意加入」をしている必要があります。

60歳~64歳の支払額・400円×12か月×5年間=240,000円
増額分・老齢基礎年金:200円×12×5=12,000円増額(年額)
プラスマイナスゼロ・総支払額240,000円で、年12,000円アップなので、プラスマイナスの年数は、24万円÷1.2万円=20年です。

・「長生きリスク」対応で、うちでは、これを選択します。社会保険料控除も加味すると20%返金として、「18年でプラス」となります。
・要するに、「社会保険料控除=20%」がお得になるので、「総支払額24万円×0.8=19.2万円」が実施支払額です。将来、「年金化」した際には、うちの妻では、「65歳~、公的年金控除が110万円」適用で、税金ゼロとなります。

・ちなみに、若くから、本制度を活用すると、「200円×480月(40年)=96,000円アップ(年額)」となるので、老齢基礎年金が「満額781,700+付加年金96,000=877,700円」と10万円弱の増加となるので、大きいと考えます。若い方は、これで、「満額以上」を実現可能です。

妻の公的年金(満額の方も、満額で無い方も)

・本章は、妻(配偶者)の公的年金が、「満額の方」「満額で無い方」が対象です。以下の計算では、常に比率で考えるので、結論には違いがありません。「繰り下げ」の有無で比較します。

老齢基礎年金の「繰り下げ有り」

参考リンクです。

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html

・老齢基礎年金「満額781,700」「65歳から70歳の繰り下げ有りで、142%(111万円)」で計算します。平均寿命88歳(女性)までの総支払額、その5年前の83歳、その10年前の78歳です。
・なお、「111万円」は、「65歳~:公的年金非課税枠の110万円活用で税金ゼロ」も適用されるメリットもあります。

88歳→繰り下げ無し・65歳~88歳なので、78万円×23年=1794万円
繰り下げ有り・70歳~88歳なので、78万円×142%×18年=1998万円
83歳→繰り下げ無し・65歳~83歳なので、78万円×18年=1404万円
繰り下げ有り・70歳~83歳なので、78万円×142%×13年=1443万円
78歳→繰り下げ無し・65歳~78歳なので、78万円×13年=1014万円
繰り下げ有り・70歳~78歳なので、78万円×142%×8年=888万円(マイナス)

・つまり、「繰り下げ有り」で、「88歳で大幅にプラス」「83歳でプラス」「78歳でマイナス」です。夫の公的年金で、家計が賄えるので、「長生きリスク」にも対応できる「繰下げ有り」とします。

・上記は、「5年間の繰り下げで142%」をベースとしました。
・他方策として、「10年間の繰り下げで184%」も試算します。
・「平均寿命88歳(女性)までの総支払額」は、「10年間の繰り下げ有り:75歳~88歳なので、78万円×184%×13年=1870万円」で、「5年間の繰り下げ有り:1998万円」よりも、減ります。
よほど、健康寿命に自信がある方でない限り、避けた方が賢明と考えます。

・なお、関連記事「【年金】夫(世帯主)の公的年金/個人年金の全体方針(3つの重要ポイント)」では、「繰り下げ無し」の結論です。ご参考まで。

老齢厚生年金の「繰り下げ有り」

参考リンクです。老齢厚生年金「65歳から70歳の繰り下げ有りで142%」なので、老齢基礎年金と同様に「繰り下げ有り」とします。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-05.html

妻の企業年金・個人年金「一時金化or年金」

「妻の企業年金・個人年金」ですが、積立終了後で、「一時金化or年金」では、「繰り下げ有り」で安全に原資を増やしてから、「一時金化」が、税金10%無しなので、有利です。関連記事「【個人年金/企業年金】積立終了時「年金化」より、繰り下げ有りで「一時金化」が有利」に詳細記載です。

・そもそも、関連記事「所得税の基礎控除」記載の「基礎控除(48万円等)」を、上記計算の「一時金+年金」の計算で配慮する必要がありますが、48万円を超えて、増加分だけの計算にしていますので、影響ない立場で、試算しています。

妻の公的年金/企業年金・個人年金の全体方針(3つの重要ポイント

妻の公的年金/企業年金・個人年金の全体方針(3つの重要ポイント)を以下に示します。「公的年金」は、「★任意加入制度」「★繰り下げ有り」、「個人年金」は、「★一時金化」です。
・もちろんの事ながら、「追納」「付加年金制度」も有効です。

「公的年金」追納・満額に向けた動きです。
・20年でプラスなので、「長生きリスク」対応で選択
「公的年金」★任意加入制度・満額に向けた動きです。
・10年でプラスなので、「長生きリスク」対応で選択
「公的年金」付加年金制度・年金の上乗せに向けた動きです。
・2年でプラスなので、「長生きリスク」対応で選択
「公的年金」★繰り下げ有り・「繰下げ無し」「繰下げ有り」では、88歳で大幅にプラス、83歳でプラス、なので、「長生きリスク」対応で「繰り下げ有り」選択
「企業年金・個人年金」★一時金化・「一時金化or年金」では、税金10%無しなので、「一時金化」が有利

公的年金/企業年金・個人年金の「原資の担保」に対する考え方

・「公的年金国民年金厚生年金)」は、「10年確定年金」等の制度が無く、受給者死亡でも、「原資が担保されない」です。代わりに「終身年金」がベースとなっています。「公的年金(国民年金/厚生年金)」の「遺族年金」について、参考リンクしますが、長生きをしない限り「原資が担保されない」です。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html

・「企業年金・個人年金」は、「10年確定年金(支払途中)」で受給者死亡であっても、「原資がほぼ担保される」です。考え方が、大きく異なります。

・要するに、「公的年金」は、「長生きする方を、そうで無い方で支える制度」と、私は理解しています。「企業年金・個人年金(原資がほぼ担保される)」は、むしろ、「自分の事は、自分で」でしょうか。
・とは言え、「公的年金」は、終身年金がベースなので、「長生きリスク」への対応力は、抜群です。「公的年金」と「企業年金・個人年金」を、うまく、組み合わせたいです。

・なお、「年金、退職金(要するに、自己資金)」に関して、50代~60代の参考書籍で、「定年後ずっと困らないお金の話(年金、退職金、再雇用など)、約900円」と「役所や会社は教えてくれない!(年金、退職金など)、約1500円」を紹介しておきます。よろしければ、どうぞ。


会社も役所も銀行もまともに教えてくれない 定年後ずっと困らないお金の話 (だいわ文庫 455-1-D)


役所や会社は教えてくれない! 定年と年金 3つの年金と退職金を最大限に受け取る方法

まとめ

妻(配偶者)の公的年金/個人年金について、全体方針(3つの重点ポイント)を以下に示します。「公的年金」は、「★任意加入制度」「★繰り下げ有り」、「企業年金・個人年金」は、「★一時金化」です。もちろんの事ながら、「追納」「付加年金制度」も有効です。これらの「社会保険料控除」も見逃せません。
・「追納」は、「20年でプラスマイナスゼロ」なので、マイナスリスクを考慮して、「追納無し」もご検討ください。
・なお、「公的年金(国民年金厚生年金):長生きリスクへの対応力は抜群」、「公的年金(企業年金)/個人年金:原資がほぼ担保される」なので、うまく、組み合わせたいです。

皆さんのご参考まで(^^) 何かあれば、お気軽にお問い合わせください。

2021年1月9日
更新日:2022年1月3日(記事構成の改善)

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・個人年金「一時金化or年金」(本記事内でご紹介):https://daijoubudayo.com/money/pension/
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