堆肥は、様々な種類がありますが、総じて、野菜/果物/バラなどに有効です。滋賀県在住でもあり、「馬糞堆肥」を作ったので、ご紹介です。
・本記事のミニ紹介動画「【野菜/果物/バラ】馬糞堆肥の作り方(糸状菌と放線菌のうまい役割分担)」です。よろしければ、どうぞ。
様々な堆肥の種類
堆肥の種類を分類するのは、非常に難しいのですが、概要を以下に記載します。
腐葉土 | ・落ち葉が原料 |
---|---|
バーグ堆肥 | ・樹木の皮が原料(ホームセンターで、40Lで約400円) |
牛糞堆肥 | ・牛糞が原料(ホームセンターで、40Lで約300円) |
馬糞堆肥 | ・馬糞が原料(ジモティーで無料でした) |
鶏糞堆肥 | ・鶏糞が原料(ホームセンターで、通常15kgで約100円/ペレット状15kgで約260円) |
生ゴミ堆肥 | ・生ゴミが原料(家庭ごみなので無料) |
なお、腐葉土の作り方で、関連記事「堆肥の超簡単で低コストな作り方(プランターコンポスト方式)」です。https://daijoubudayo.com/diy/easy_compost/
・同様な関連記事「木製コンポスト(大容量125L)で、安く1000円の作り方」です。https://daijoubudayo.com/diy/compost_low_cost/
・同様な関連記事「堆肥作り方で「ゴミ袋コンポスト」と「土に置くコンポスト」がお勧め」です:https://daijoubudayo.com/diy/compost/
馬糞堆肥の作り方
馬糞堆肥の作り方を、順を追って、ご説明です。意外と臭いがしないのが、実感でした。
馬糞の入手
馬糞堆肥なので、「馬糞」が必要です。ジモティーで「無料」だったので、連絡して、車で向かいました。なお、あらかじめ、「大きなビニール袋/肥料袋」「スコップ」も準備して、持参です。また、ステーションワゴンの後部に積み込みですが、汚れるので、「ブルーシート」も敷きました。
・以下が、頂いた「馬糞」の写真です。野積みですが、ワラも多く含まれており、濡れていない実感が伝わると思います。「肥料袋」換算×5袋=約200Lを自宅に持ち帰りました。馬も近くに居ました。
「馬糞」発酵に向けて
まずは、「馬糞」置き場を考えました。約200Lであり、結構な体積なので、結局、自宅の「コンクリート上」にしました。なお、ワラも多いせいか、「うんち臭」は、ほとんどしませんでした。
・以下の様に、「米ぬか」を入れながら、「クワ」で古墳状態に積みました(「スコップ」より、やり易いです)。白く見えるのが「米ぬか」です。
・なお、「ウンチ」が表面からコロコロと下に転がり落ちるので、最初から、「中心部に凹み」を作って、転がった「ウンチ」を入れながら進めると、以下の写真のように、「ウンチ」が見えなくなり、いい感じです。
・その後に、堆肥にするのに必要な「くん炭」と「動物質肥料(クラブ=カニ)」を混ぜます。混ぜるには、「クワ」が最適です。
・十分に混ぜた後に、「ブルーシート(うちのモノは、緑)」で覆って、出来上がりです。雨水が下から滲みるのも、良さそうです。
・2枚目に、参考として、使用した「スコップ」と「クワ」を載せておきます。
「馬糞」発酵スタートの一か月後
「馬糞」発酵スタートの一か月後の写真です。「糸状菌」(中央部の白い部分)が伸びており、いい感じです。なお、このまま、発酵が進めば、「完熟堆肥(完熟肥料)」になる予定です。つまり、その堆肥の中で、分解・発酵が十分に行われる事になります。
・「未熟堆肥」は、土壌障害を引き起こす要因となるので、避けた方が良いです。
・馬糞堆肥は、バラ栽培(黒星病の対策も含む)で必須アイテムとネット記事もありました。使い方の特徴の一つです。https://barahiryo.com/16284097231646
・「完熟堆肥」になるまで、一般的に、「家畜糞だけの仕込み原料は、約2ヶ月間」「ワラもあると分解が遅くなるので、約3か月間」と言われているので、あと数か月は、時々、混ぜながら、楽しみながら、待ちたいと思います。「完熟堆肥」の三要素を以下に示します。
・なお、うちでは、正月明けからのスタートでしたが、「気温が高い秋口」からの方が、気温が高く「完熟堆肥」に早くなるので、おすすめです。
①臭い | ・アンモニア臭が無くなり、土の匂いになっているか |
---|---|
②形と色 | ・ワラなどが原形を留めていないのか ・色が、茶色から黒色になっているか |
③水分 | ・ベトベトせずに、手に付着しないか |
「馬糞」発酵に必要なモノの一覧表
「馬糞」発酵に必要なモノの一覧表です。ホームセンター(コーナン/カインズなど)で、手に入ると思います。
馬糞 | ・約200L(ジモティーで無料入手です) |
---|---|
米ぬか | ・約20L(近所の精米所で無料入手です) ・ミネラル/ビタミンが豊富で、微生物の餌にするため |
スコップ | ・馬糞を袋に入れるのに用います |
肥料袋 | ・肥料袋(約40L)を5枚程度 |
ブルーシート | ・うちは、1.8m×3.6m(ホームセンターで約600円)でした ・「雨」に濡れないためと「保温」のためです |
クワ | ・馬糞を混ぜるのに、やり易いです |
くん炭 | ・約5Lとしました ・微生物の居場所のため |
動物質肥料(蟹殻肥料) | ・くん炭と同量で、約5Lとしました ・「放線菌」を増やすため ・なお、「放線菌:カビのように分岐した糸状の細胞や菌糸を生じる細菌」であり、完全分解の「完熟堆肥」にするために不可欠 |
・例えば、「スコップ、約800円」です。穴あきで無い方が使いやすいと思います。
・例えば、「クワ、約2100円」です。
【柄と頭が固定式なので打ち付け不要】楽々印 超軽量備中鍬 ステンレス 1050mm柄
・例えば、「くん炭、64L、約2500円」です。
・例えば、「蟹殻肥料、10㎏、約2300円」です。
カニ殻肥料粉末 カニのちから 10kg カニ殻 肥料 粉末 カニ 蟹
糸状菌と放線菌のうまい役割分担
「完熟堆肥」のためには、「糸状菌」と「放線菌」の活躍時期が重要です。結論から言えば、「前半は、糸状菌」で「後半は、放線菌」が理想です。前半の「糸状菌」で、どんどん、分解してくれます。以下のリンク先が「糸状菌と放線菌の役割分担」観点で分かり易いです。ありがとうございます。https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/soil/articles/03.html
・ただ、「完全堆肥」になった際に、「糸状菌(ペクチン分解菌)」が残っていると、「うどんこ病」等の病害の可能性が高いので、最後は、「糸状菌」無しが望ましいです。「糸状菌」を構成する「キチン質」を分解してくれるキチナーゼを出してくれるのが「放線菌」なので、それを増やすために「蟹殻」を約5Lとしました。この効果が期待できます。
・また、「未熟な有機物を投入してすぐに播種や定植を行うと、幼苗に立枯れが発生することがあります。これは、堆肥の分解途中でペクチン(細胞壁)分解菌が増殖し、幼苗の柔らかな細胞壁を溶かし、病原菌が植物に侵入したために起こる障害」「堆肥はペクチン分解菌の増殖が完了した完熟以降に施用しなければ危険」と上記記事に記載があったので注意が必要です。
・「糸状菌=菌=真菌類=真核生物」、「放線菌=細菌=細菌類=原核生物=バクテリア」と、異なるモノと、ネット記事にありました。「土壌づくりの際には必ずカニガラを混ぜましょう」とも記載があります。もちろんの事ながら、本記載は、「馬糞堆肥」以外でも、有効です。
まとめ
「馬糞堆肥」は、野菜/果物/バラなどに有効です。滋賀県在住でもあり、「馬糞」から作ったので、ご紹介です。ジモティー「無料」で約200Lを入手しました。
・「米ぬか」とも重要な「くん炭」と「カニガラ」も混ぜて、発酵中です。これらにより、大事な「糸状菌と放線菌のうまい役割分担」が可能となります。もちろんの事ながら、「カニガラ」は、「馬糞堆肥」以外でも、有効です。
皆さんのご参考まで(^^) 何かあれば、お気軽にお問い合わせください。
2022年2月3日
更新日:2023年3月17日(本記事のミニ紹介動画をリンク)
関連記事
・本記事で紹介した関連記事「堆肥の超簡単で低コストな作り方(プランターコンポスト方式)」です:https://daijoubudayo.com/diy/easy_compost/
・本記事で紹介した関連記事「木製コンポスト(大容量125L)で、安く1000円の作り方」です:https://daijoubudayo.com/diy/compost_low_cost/
・本記事で紹介した関連記事「堆肥作り方で「ゴミ袋コンポスト」と「土に置くコンポスト」がお勧め」です:https://daijoubudayo.com/diy/compost/
・関連記事「ミニ畑での「植物の根量増加」を目指した「腐植酸」活用」:https://daijoubudayo.com/diy/humic_acid/
・関連記事「ミニ畑で団粒構造(糸状菌)を目指した無肥料栽培へのトライ」: https://daijoubudayo.com/diy/natural_farming/
・関連記事「滋賀県で、雑草/木材チップが原料の「無料堆肥」を入手(感想を記載)」です:https://daijoubudayo.com/diy/free_manure/
上記も含めた、本ブログのDIYカテゴリー(猫モノ、バラフェンス、野菜/果物、格子戸など)の記事リスト(約30件)です。他の記事も、どうぞ。
・各記事の左上に「検索窓」があるので、気になるキーワードを入れて頂ければ、ご要望の記事があるかもしれません。