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【私鉄】分割乗車券が成立する特別なケースは、初乗り運賃/特定区間の切り口(グラフで説明)

分割乗車券は、「JR」でよく聞きます。ただ、「私鉄」では、皆さんが、あまり検討されていません。主な理由は、「JR」で全パターンを計算してくれる「乗車券分割プログラム」があるのですが、「私鉄」では、このような便利なツールが無いためです。

雲くん
雲くん
「私鉄」でも、安く移動したいので、考えたいです。

「JR」と「私鉄」の運賃の考え方の違い

「JR」と「私鉄」の運賃の考え方の違いに少し触れておきます。リンク先が参考になります。http://www.desktoptetsu.com/unchinkeisan.htm

そもそも、JRの運賃は、営業キロを基本とした「対キロ制」です。「1~300km」「301~600km」「601km~」の3区分であり、遠距離ほど、賃率が低くなる「遠距離逓減制(ていげんせい)」となっています。

これに対して、多くの私鉄は、「対キロ区間制」であり、基準とした区間を定めて、区間が1ランクあがるごとに、階段状に運賃を加算です。なお、「固定額+距離比例額」として、すべての顧客に、乗車距離に比例しない固定額の負担を求めています。

JR ・「対キロ制」なので、運賃が距離比例的である。
私鉄 ・「対キロ区間制」なので、距離比例部分の勾配が小さい。
・従って、300kmまでの、同一の賃率である区間で、JRよりも私鉄が安くなるケースがある。
・この差を埋めるために、JRでは、「特定区間」を設定している。

「JR」と「私鉄」の運賃勾配の再確認

こちらの記事が参考になります。以下のグラフで、「JR」と「私鉄」で運賃勾配が異なる事が分かります。http://www.desktoptetsu.com/unchinhikaku.htm

・具体的に、うちで「JR西日本」と「阪急電鉄」の運賃(縦軸)を確認しました。20kmまでは、ほぼ同額ですが、それを超えると、「阪急電鉄」が安くなっています。
・なお、補助線は、0を原点としたものです。「JR西日本」は、10km以下でその線を超えて応分の負担を求めていますが、「阪急電鉄」は、40km以下で、広く負担を求めています。この点が、前述の「すべての顧客に、乗車距離に比例しない固定額の負担を求めています」に相当すると考えます。

「JR」で、分割乗車券が安くなる理由

「JR」で分割乗車券が成立するのは、「①運賃計算方法」と「②特定区間」が主な理由です。リンク先が本ブログ参考記事です。「(京都)山科~大阪」で試算しています。https://daijoubudayo.com/money/jr_ticket/

・JR西日本の運賃表です。参考貼付です。https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/normal_tickets/normal_fare03.html

・「JR」では、「乗車券分割プログラム」があるので、皆さん、それを活用されていると思います。参考リンクです。このようなプログラムを作成された方に感謝です。http://bunkatsu.info/

「JR」で安くなる理由(グラフで説明)

「私鉄」の本格検討前に、「JR」で安くなる理由を再確認したいと考えます。「JR西日本」での運賃(縦軸)です。10km以下で、応分の負担を求めている事が分かります。
・10km以下を除くと、そもそも、すべての運賃が、直線に乗るなら、「分割乗車券でも同額」になるはずです。ただ、良く見ると、直線から上下に少しずれています。これが、「分割乗車券」が成立する理由です。

・直線からのずれを明確にするために、他の方と異なり「区間運賃」グラフにしました。ずれがより明確です。
・要するに、キロ当たりでの、ある区間と次の区間の運賃差(縦軸)です。例えば、10kmで約60円/kmですが、75kmで約120円/kmと、約2倍になっている事が分かります。
・すべての「区間運賃が一律(つまり、水平)」であれば、「分割乗車券」が成立しません。補助線(データ全体の近似線)が傾いているのが、「分割乗車券」が成立する主な理由です。

・本ブログ参考記事「(京都)山科~大阪」で、JRの分割乗車券の具体例を紹介しています。https://daijoubudayo.com/money/jr_ticket/

・「(京都)山科~大阪、48.3km、860円」なので、「区間運賃が高め」です。これを、「山科~京都、5.5km、170円」と「京都~大阪、42.8km、570円」に分けると、「山科~京都、5.5km」の「区間運賃が安め」なので、総運賃が760円と安くなります。また、この場合は、加えて、「京都~大阪」が「特定区間」である事も、理由です。二重の効果です。以下に図示します。
・要するに、「区間運賃が高め(30km以上)」では、「分割乗車券」の効果大の可能性が高くなります。逆に「区間運賃が低め(20km以下)」では、その可能性が低くなります。

では、「区間運賃が高め(30km以上)」で、すべて分割すれば、常に安くなるのでは?、と思われるかもしれません。これは、「分割ロス」を考えれば、分かり易いです。
・つまり、「(京都)山科~大阪、48.3km」が12駅なので、11分割が最大です。これを実行すると、「48.3km」が増えるのと、それぞれのキロ加算でも、損です。
・つまり、「分割によるコスト削減額 > 分割ロス」にならないと、「分割乗車券」が成立しないです。

・もう一つの分割例です。「分割前、26km、510円」で、「分割後、13km、240円を2倍で480円」で、お得になります。以下に図示します。
・2つの例で、お分かりのように、「区間運賃」の差が、「分割乗車券」のお得度になります。

「私鉄」で、分割乗車券が安くなるのか?

例えば、こちらの記事が参考になります。https://ameblo.jp/chu-o-tokkaie233/entry-12076548173.html

・上記記事でも、JRと同様に、「①運賃計算方法」と「②特定区間」が切り口でした。それぞれを転記します。それぞれ、「1543円→1502円(-3%)」、「653円→576円(-12%)」のお得度と記載です。

  

2015年の記事だったので、2021年10月現在で記載しました。「①は、今でもお得」、「②は、今では損」でしたが、切り口は、参考になります。つまり、「①:運賃計算方法」、「②:加算運賃/減算運賃の特定区間を含むモノ」が切り口です。

①運賃計算方法 ・東武鉄道
・「(きぬがわ)鬼怒川温泉~浅草、140.8km、1571円」
・「鬼怒川温泉~曳舟(ひきふね)、138.4km、1383円」+「曳舟~浅草、2.4km、147円」=1530円なので、1571円ー1530円=41円(-3%)
・これは、初乗り運賃147円よりも、「1571円と1383円の区間差188円」が高いためです。
②区間特定運賃 ・京急(京浜急行電鉄株式会社)
・「金沢文庫~羽田空港第3ターミナル、36.0km、542円」
・「金沢文庫~天空橋、34.8km、430円」+「天空橋~羽田空港第3ターミナル、1.2km、136円」=566円なので、542円ー566円=-24円(+4%)
・2015年の記事では、「天空橋以外から羽田空港に行く際には加算運賃が設定」でしたが、最近では、加算運賃が大きくなく、お得では無く、損になっていました。

「私鉄」での分割乗車券の検討(グラフで説明)

具体的に計算してみます。例えば、阪急電鉄の「対キロ運賃表」です。https://s4.ssl.ph/accs/railway/hankyu011.php

・これをグラフ化したモノです。40km以下で、広く負担を求めているのが分かります。

・直線からのずれを明確にするために、他の方とは異なり「区間運賃」グラフにしました。要するに、キロ当たりでの、ある区間と次の区間の運賃差(縦軸)です。
・JRと異なり、私鉄は分割乗車券が効きにくい「区間運賃が一律(つまり、水平)」に近い補助線になっています。

・分割乗車券が効きにくいのですが、実際に計算してみないと分かりません。「75kmで約70円/km」であり、「30kmで約45円/km」なので、区間運賃では、分割が有利ですが、「分割ロス」を考慮する必要があります。

標準 「京都河原町~神戸三宮、75.2km、630円
分割乗車券A 「京都河原町~高槻市、24.7km、280円」
「高槻市~神戸三宮、50.5km、400円」
計680円
分割乗車券B 「京都河原町~大阪梅田、47.7km、400円」
「大阪梅田~神戸三宮、32.3km、320円」
計720円

・計算した結果では、「分割乗車券は、損」でした。特に、「分割乗車券B」では、ドル箱路線と考えられる「京都河原町~大阪梅田」を入れて「特定区間(減算運賃?)」を狙いましたが、そもそも、阪急電鉄の「対キロ運賃表」通りなので、効果無しでした。

・念のため、異なる目的地の計算も行いました。こちらも、「分割乗車券は、損」です。つまり、「分割ロス」に、負ける事が分かりました。「蛍池」は、大阪空港があるので、「特定区間(加算運賃?)」を狙いましたが、こちらも、阪急電鉄の「対キロ運賃表」通りで、効果無しでした。

標準 「京都河原町~蛍池、54.8km、470円
分割乗車券C 「京都河原町~高槻市、24.7km、280円」
「高槻市~蛍池、30.1km、320円」
計600円
分割乗車券D 「京都河原町~十三、45.3km、400円」
「十三~蛍池、9.5km、230円」
計630円

「阪急電鉄」での分割乗車券の可能性

・そもそも、前述の阪急電鉄の運賃グラフを再確認すると、「30kmで約300円」で、本来「60kmで2倍の約600円」になるはずが、「60kmで約500円」と約1.5倍です。同様に、「20kmで約280円」で、「40kmで約400円」と約1.5倍です。
・つまり、遠距離ほど、賃率が低くなる「遠距離逓減制(ていげんせい)」の採用です。これでは、「阪急電鉄」では、「分割乗車券」にすると、「分割ロスのため、損」になる事が納得です。

「私鉄」で分割乗車券が有効となる特別なケース(グラフで説明)

JR」では、以下のグラフの様に、「30kmで600円弱」で「60kmで1100円弱」と、距離と運賃がほぼ比例なので、「分割乗車券が効きやすい」です。
・ただし、「私鉄」では、「30kmで約300円」で「60kmで約500円」と、遠距離ほど、賃率が低くなる「遠距離逓減制(ていげんせい)」なので、「分割乗車券が効きにくい」です。

・ただ、最初の「①運賃計算方法(東部鉄道)」「②特定区間(京急)」の切り口で、「分割乗車券が効く」特別なケースがあります。以下に図示します。

①運賃計算方法(東部鉄道) ・阪急電鉄は、初乗り運賃(短距離)の区間運賃が高いのですが、東部鉄道は、それが安い運賃(△)であり、この図では、右端の遠距離の区間運賃が高いので、その差が得になったケースです。
・つまり、他の私鉄でも、「遠距離の区間運賃(つまり、区間を超えた際の、増加運賃」が高く、初乗り運賃(短距離)が安い場合に、分割乗車券の可能性があります。
(備考)
・前述のJRで「半分に分割で安くなる」ケースがありましたが、そもそも、私鉄は距離が2倍でも運賃が約1.5倍と安くなっているので、「半分に分割」では、分割ロスのため、損になると考えます。
②特定区間(京急) ・阪急電鉄は、加算運賃/減算運賃が無さそうですが、京急は、2015年に「羽田空港」近くで、「加算区間」(☆)が設定されていたとの事です。
・つまり、他の私鉄でも、この「加算運賃(空港近く)」をうまく外したり、分割で「減算運賃(ドル箱路線)」(☆)を考える事で、分割乗車券の可能性があります。

阪急電車で、「初乗り運賃(短距離)」を活用した分割乗車券を検討しました。前述の「対キロ運賃表」で、「初乗り運賃:160円」よりも、「71km超えて、100円増加運賃」が低いので、「分割乗車券は、損」です。念のため、ご報告です。
・ただ、東武鉄道では、「得」だったので、他の私鉄でも、「初乗り運賃」と「遠距離での増額運賃」の比較を、念のため、お願いします。

まとめ

「私鉄」で分割乗車券が有効となる特別なケースは、「初乗り運賃(短距離)」が安い場合と「特別区間(加算運賃/減算運賃)」が設定してある場合です。他の方とは異なり「区間運賃」で検討し、分かり易いグラフで説明しています。
・なお、「阪急電車」は、現時点で、これらの特別なケースに該当無しなので、残念ながら「分割乗車券」はお得でない、のが検討結果です。
・「JR」では、距離が2倍で運賃が約2倍なので、分割乗車券が効きやすいのですが、「私鉄」は、距離が2倍で運賃が約1.5倍なので、分割乗車券が効きにくい事も、申し添えておきます。

皆さんのご参考まで(^^) 何かあれば、お気軽にお問い合わせください。

2021年10月31日

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・本記事内でもご紹介の「【JR】分割乗車券の実際の使い方」です:https://daijoubudayo.com/money/jr_ticket/

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