自動車のワイパーフレームが長年の劣化で、色あせて白っぽくなってきました(白化、劣化)。DIYで、「黒樹脂復活」を安く800円で成功したので、ご報告です。
・本記事のミニ紹介動画「ワイパーフレームの「黒樹脂復活」を安く800円で」です。よろしければ、どうぞ。
ワイパーフレームの処理前後です(黒樹脂復活です)
ワイパーフレームの処理前後です。ワイパー2本を対象として作業しました。他の樹脂パーツでも有効です。
・処理前は、白っぽいです。
・処理後は、白っぽさ(白化、劣化)が無くなり、黒くなり、黒樹脂復活です。景色も写っており、艶/光沢もあります。
ワイパーフレームの黒樹脂復活剤の検討(シラン系コーティング)
ネットで調べると様々な種類があります。スプレータイプもありますが、長持ちも考えて、「厚めコーティング」を考えてみました。
・結果として、「黒樹脂復活剤、艶出し、シラン系コーティング、8mL、約800円」です。コーティング剤が、「2液」では無く、「1液」なのも、使いやすいと考えます。
・決め手は、リンク先記載「①超密着AMS成分」「②シラン系コーティング」です。
カーメイト 車用 黒樹脂復活剤 プレミアムコート コーティング剤 6か月耐久 劣化防止 8ml C136
・「①超密着AMS成分」を図示します。「本製品は補修効果を高めるために『超密着AMS成分』を配合しています」「樹脂表面の細かいキズに補修成分が強力に密着することで、劣化した樹脂表面に深い色・ツヤが復活」です。「樹脂との密着性が高い変性シリコンを採用」の記載もありました。
・「②シラン系コーティング」を図示します。「本製品は再劣化を防ぐために『シラン系コーティング』を配合しています」「補修した樹脂面に耐久被膜を形成することで、6ヶ月以上の間、樹脂の色・ツヤが持続」です。特に、「再劣化を防ぐ」が気に入りました。
・使用可能な樹脂パーツの例です。「ワイパー回り」「グリル/バンパー」です。
・各種コーティング剤の概要分類をまとめておきます。「シラン系」が本記事です。
フッ素系(テフロン) | ・非常に一般的で、安価 ・コンパウンドも一緒に配合できるので、小キズも消せる ・ポリッシャー使用で練りこむ事も可能(簡易コーティング) |
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ケイ素系(シリコン系) | ・ケイ素=シリコンです ・なお、「シリコーン」は、「ケイ素(シリコン)及び酸素を含む有機化合物の総称」なので、シリコンとは別の言葉 ・つまり、ガラス繊維が使われているという意味 ・硬さがあり、「フッ素系」よりも、塗りにくい |
シラン系<本記事> | ・主成分であるケイ素(シリコン)をシラン(水酸化ケイ素)に置き換えたコーティング ・化学反応を用いて、ガラスに変化させているという意味 ・塗装表面の凸凹を利用して、結合し、硬化 |
シラザン系 | ・シンナー系が含まれており、塗装表面を少し溶かして結合 ・あまり、一般的で無い |
・なお、上記分類/下記分類のきちんとした定義も、本業界ではされていないようです。従って、概要分類としています。下記「ガラス系コーティング」が、上記「ケイ素系」「シラン系」「シラザン系」に相当します。
ガラス系コーテイング(非硬化型)<本記事> | ・「100%無機(100%ガラス、SiO2)」でないという意味 ・非硬化なので、施行が難しくなく、DIY対応可(なお、完全硬化型と比較して、被膜が薄く、強度が弱くなる) ・スプレー式やプラスチック容器で、施行可能 ・ポリマーコーティングをガラス繊維で強化したモノ |
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複合型 | ・ガラスコーティング(完全硬化型)を1層目、ガラス系コーティング(非硬化型)を2層目、の複合型もある |
ガラスコーティング(完全硬化型) | ・「100%無機(100%ガラス、SiO2)」という意味 ・完全硬化型なので、施工が難しいので、業者さん対応(なお、非硬化型と比較して、被膜が厚く、強度が強くなる) ・ガラス成分が、空気中の水分/酸素と結合してガラス被膜(つまり、スプレー式やプラスチック容器では、密閉度が低いため空気に触れて硬化が始まってしまうので、本コーティング方法は、ビン容器が一般的た) ・ただ、業者さんでないと施工困難であり、硬化まで半日程度、完全硬化まで10日~1か月なので、時間も掛かる(その間は、愛車に乗るのも困難) |
「黒樹脂復活剤」の他の候補
・他の候補は、「黒樹脂復活剤、艶出し、高品質シリコン、30mL、約1800円」です。ただ、商品説明で「5~10台は施工していただけます」と記載があり、「量が多すぎる」と考えて、避けました。
【CarZootプロ仕様】 黒樹脂 完全復活コーティング 『今まで表現できなかった美しい艶と保護耐久力を実現』 樹脂パーツ 保護 未塗装パーツ
・他の候補は、「黒樹脂復活剤、艶出し、ケイ素コーティング、10mL、約1300円」です。選んだモノよりも、少し高価なので、避けました。
ホルツ 洗車&補修用品 未塗装樹脂コート剤 R-FINE ブラックショック Holts MH683 樹脂製未塗装バンパー&モール向け 6か月持続 艶出し 黒さ復活 洗車後
・他の候補は、「黒樹脂復活剤、艶出し、ケイ素コーティング、耐熱300度、10mL、約900円」です。商品説明「エンジン周りのプラスチック」と記載なので、用途の特殊性と少し高価な点で避けました。
ホルツ 補修用品 無塗装樹脂パーツコーティング剤 耐熱温度300℃ 10ml Holts MH819 ケイ素コーディング
「黒樹脂復活剤」の購入
・購入したモノの内容物です。真ん中が黒樹脂復活剤「復活&コート剤(8mL)」です。揮発を防ぐために、アルミ袋に入っており、安心しました。その成分は、「シロキサン、アルコール、シラン化合物、シリコン化合物」でした。「アルコール」入りを認識です。
<1>汚れ落とし&養生(天気、気温)&適量
・製品箱マニュアルを以下に示します。「STEP①:樹脂部分の水洗い」です。
・ただ、製品箱マニュアルには無いのですが、油汚れの可能性もあるので、「洗剤」で「汚れ落とし」が望ましいです。「洗剤と汚れ」との関係を以下に示します。本図から、強すぎる「アルカリ性」を避けて、「弱アルカリ性:バスタブクレンジング(ジョイでも可)」を選択しました。また、「使い古しの歯ブラシ」が、毛先が長く奥まで入り、細かい所まで、使いやすかったです。「STEP①:十分に乾燥」ですが、うちでは、完全乾燥を目指して、「3時間以上」としました。
・なお、「弱アルカリ性」の定義は、消費者庁によると以下の通りです。<水素イオン濃度(pH)が11.0を超えるものは「アルカリ性」、11.0以下8.0を超えるものは「弱アルカリ性」、8.0以下6.0以上のものは「中性」、6.0未満3.0以上のものは「弱酸性」、3.0未満のものは「酸性」>です。https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/zakka/zakka_06.html
・具体的な「汚れ落とし」です。「水かけ」後に、「洗剤」使用で「歯ブラシ」で「汚れ落とし」です。
・その後に、「水道水で、ゆすぎ」です。なお、2枚目の写真の様に、「ワイパー裏面」を忘れていたので、再度、「洗剤」→「歯ブラシ」→「ゆすぎ」を行いました。皆さんは、最初から、「ワイパー裏面」もお忘れなく。
・なお、この「汚れ落とし」は、「養生をどうすれば良いのか」「そもそも、黒樹脂復活剤の使用範囲は?(ワイパー裏面など)」等を考える機会にもなり、有効です。
・製品箱マニュアルには無いのですが、「養生」が重要です。少しでも、車のボディに、「液だれ」すると、「大問題」になります。仕事の基本は、「養生」です。
・口コミの「ガラスに着くと厄介」「誤ってボディーに付着したまま乾いてしまった場合、水垢クリーナー(ノーコンパウンド)等でキレイに落とせます」「3日後にボディに垂れてるのが判明して、取るのに100%アルコールとファイナル1とヒートガンを使って1時間かかった。油ではなくて樹脂コーティングなのね」が参考になります。
・以下の様に、ボンネット側に折り込んで、養生テープ活用で、「しっかりと養生」します。
・また、「天気」も重要です。後述しますが、「乾燥に数日掛かる」なので、「雨が降らない数日」か、「天井有りのカーポート(横風も吹き込まない)」か、「半地下駐車場」でお願いします。うちは、「半地下駐車場」です。
・なお、「気温」も、「高温」では、使用剤が固まりムラになるので、「炎天下」は避けた方が良いです。せめて、「日傘」をお願いします。
・完全乾燥後に、上記「養生」を行い、「STEP①:液を適量」です。「スポンジの黄色い面」に「数滴(粘度が高い透明液)」となります。
・なお、以下の様に、黒樹脂復活液が付着しないように、「手袋(両手)」が良いです。使用剤は、「黒く塗る」というよりも、「油で濡らして、黒く光らせる」というイメージです。従って、「手袋」をしないと、油でギトギトになります。
・また、細かい所のために、「使い古しの歯ブラシ」の準備もお願いします(付属スポンジだけでは、無理なので)。
・なお、以下の写真(上部)の様に、「紙」にすごく染みるので、「紙の裏」にも出てきます。従って、ボンネットに裏写りしないように、以下の写真(下部)の様に、「雑巾使用」が安全です。うちでは、加えて、転がり落ちないように、「養生テープ」も活用しました。
<2>塗る&拭き上げ
・製品箱マニュアルを以下に示します。なお、「塗る」前に、「★液だれ」「★水だれ」が無いように、「<1>養生」を再確認ください。
・うちの「ワイパーフレーム」を例にすると、「STEP②:均一」と「STEP③:拭き上げ」を一本づつ、仕上げた方が良いです。つまり、「一度に大きな面」を相手にするのではなく、「手の平サイズ」を「やり切る」が、やり易かったです(つまり、ワイパーを一本ずつです)。
・なお、付属スポンジが小さ目なので、大面積の場合は、別スポンジも準備された方が望ましいです(段々と汚れていくので)。黒樹脂復活剤8mLですが、意外と広い面積が塗れます。
・以下が、フレーム部分の「塗り」前後です(ゴムは、そのままです)。高い効果が分かります。前述の様に、黒樹脂復活剤は「アルコール入り」なので、どんどん、揮発していくため、最初のひと塗りが、最も「塗り性能が良い」とお考え下さい。
・なお、ワイパー裏面の黒樹脂復活剤は、しませんでした(見えない部分と割り切りました)。
・別の箇所(ゴム部分)の「塗り」前後です。白い部分が無くなっているのが、分かり易いです。黒樹脂復活剤が余ったので、活用しました(ただ、製品箱マニュアルで「未塗装樹脂」と記載なので、ゴムは、本来の適合材料で無い事を申し添えておきます)。
・最初から「重ね塗り」イメージではなく、黒樹脂復活剤の伸びが悪い(硬化してない接着剤みたいな感じ)ので、「一回で、スー」と「厚塗り」を避けて「薄く塗る」イメージです。「厚塗り」では、べたつき時間も長く、表面が平滑になりにくいです。
・なお、焦らないで、「数分後」の「拭き上げ」が望ましいです(早すぎると柔らか過ぎ、遅すぎると硬化)。また、折角のコーティング膜に傷がつくので、「優しい拭き上げ」でお願いします。以下が「拭き上げ」前後です。筋が消えていて、いい感じです。何回も、「拭き上げ」すると、より艶/光沢が出てきます。
・ムラが出れば、「重ね塗り」も可ですが、「完全硬化後」が原則です(「未硬化」では、筋になります)。
<3>確認&完成
・製品箱マニュアルを以下に示します。「STEP④:確認&完成」です。本製品は、「使い切り」タイプなので、「確認」を何回も行い、必要があれば、「塗る&拭き上げ」の繰り返しで、使い切りが望ましいです。ただ、うちは、「確認後」も、「塗り」漏れも無く、小面積だったので、「約1/3」が余りました。
・以下の様に、完成です(処理前後)。白っぽさ(白化、劣化)が無くなり、黒くなり、黒樹脂復活です。景色も写っており、艶/光沢もあります。
・ワイパーを上げて、完全乾燥させます。その後は、ネット本製品説明文で「塗布後はコーティングがべたつきますが、1日程度で乾燥します」と記載ですが、口コミから、「乾燥に数日掛かる」と認識しました。
・その間は、ホコリ/ゴミ/雨にご注意ください。要するに、「風と水が大敵」です。
・その後も、本製品の効果を長持ちさせたい場合は、可能であれば、「直射日光」を避けた方が賢明(半地下駐車場など)です。
「ワイパーフレームの黒樹脂復活剤」の使い方ポイント
「ワイパーフレームの黒樹脂復活剤」の使い方ポイントを以下に示します。なお、作業時間も括弧内に示します。「<1>汚れ落とし&養生&適量」、「<2>塗る&拭き上げ」、「<3>確認&完成」が、全体の流れです。
・使い方ポイントは、「汚れ落とし:弱アルカリ性」「手の平サイズをやり切る」「厚塗りを避けて、薄く塗る」「乾燥:風と水が大敵」です。特に、「薄く塗る」が重要です。
使用剤の選択 | ・「①超密着AMS成分」「②シラン系コーティング」が決め手でした ・「黒樹脂復活剤、艶出し、シラン系コーティング、8mL、約800円」です。 |
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<1>汚れ落とし&養生(天気、気温)&適量【1時間+完全乾燥3時間以上】 | ・「水洗い」で無く、「洗剤:弱アルカリ性」の「汚れ落とし」を ・その後は、完全乾燥を目指して、「3時間以上」で ・「養生」は、新聞紙等で、しっかりと ・「乾燥に数日掛かる」なので、「天気」は、「雨が降らない数日」か、「天井有りのカーポート(横風も吹き込まない)」か、「半地下駐車場」でお願いします ・「黄色い面」に「数滴」と少な目が良いです |
<2>塗る&拭き上げ【1時間】 | ・うちの「ワイパーフレーム」を例にすると、「STEP②:塗る」と「STEP③:拭き上げ」を一本づつ、仕上げた方が良い ・つまり、「一度に大きな面」を相手にするのではなく、「手の平サイズ」を「やり切る」です <塗る> ・最初から「重ね塗り」イメージではなく、使用剤の伸びが悪いので、「一回で、スー」と「厚塗り」を避けて「薄く塗る」イメージ ・ただし、ムラが出れば、「重ね塗り」も可です ・「塗る」作業では、使用剤で汚れるので、「手袋」をお願いします ・なお、細かい所は、「使い古しの歯ブラシ(もしくは、筆)」が活躍です <拭き上げ> ・「数分後」の「優しい拭き上げ」で |
<3>確認&完成【数日】 | ・本製品は、「使い切り」タイプなので、「確認」を何回も行い、ムラ等があれば、再度「塗る&拭き上げ」で使い切る ・「乾燥に数日掛かる」なので、その間は、ホコリ/ゴミ/雨に注意する(要するに、「風と水が大敵」) |
「否定的な口コミ」と「考えられる失敗理由」
本製品の購入時に、「口コミ」を確認し、注意事項などを参考にさせて頂きました。なお、「否定的な口コミ」もあったので、「考えられる失敗理由」を以下に示します。
スポンジの筋が残る | ・「一回でスー」が原則ですが、「未硬化」なのに、「重ね塗り」してしまった可能性があります(また、「拭き上げ」が不十分な可能性もあります) ・「重ね塗り」する場合は、「完全硬化後」が原則です |
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スポンジが悪いので、うまく塗れない | ・「数滴」でなく、「適量」を超えた可能性があります ・「適量」であれば、問題無く使用できるスポンジと考えます |
フラット面が意外と苦手で、エンボス部分の乗りが良い | ・「数滴」でなく、「適量」を超えた可能性があります ・つまり、「適量」を超えた「ベトベト」状態で、フラット面を塗布後に、エンボス部分を塗布時に「適量」になったかもしれません |
黒くならない | ・うちでは、黒くなりましたが、さすがに、「下地劣化」がひどい状態では、あまり黒くならないと思います |
保存していたら、固まって使えない | ・本製品は、「使い切り」タイプなので、ご注意ください ・アルミ袋に仕舞っても、数か月後には、アルコールが抜けていると思います |
まとめ
自動車の「ワイパーフレームの黒樹脂復活剤」は、「①超密着AMS成分」「②シラン系コーティング」が決め手でした。「黒樹脂復活剤、艶出し、シラン系コーティング、8mL、約800円」です。処理後は、白っぽさ(白化、劣化)が無くなり、黒くなり、黒樹脂復活です。景色も写っており、艶/光沢もあります。他の樹脂パーツでも有効です。
・DIYで、「<1>汚れ落とし&養生&適量」、「<2>塗る&拭き上げ」、「<3>確認&完成」が、全体の流れです。
・使い方ポイントは、「汚れ落とし:弱アルカリ性」「手の平サイズをやり切る」「厚塗りを避けて、薄く塗る」「優しい拭き上げ」「乾燥:風と水が大敵」です。特に、「薄く塗る」が重要です。
皆さんのご参考まで(^^) 何かあれば、お気軽にお問い合わせください。
2022年2月19日
・更新日:2023年2月15日(本記事のミニ紹介動画をアップ)
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